はっきりいう。「ゲド戦記」というタイトルにしてほしくなかった。原作者のル=グウィンの言葉「私の本ではない。吾朗の映画だ」のとおり、これはゲド戦記ではない。
原作「ゲド戦記」は素晴らしいの一言だ。そのテーマは普遍的であり、深遠的である。そもそもこの物語は映像ではなく、本を読むことによってそれぞれの心の中でその主人公と旅することに意味があると強く思う。
映画は公にも吾朗監督の独自解釈で作ったものとされており、それならタイトルは別にしてほしかった。観た方も多いと思うが、これを「ゲド戦記」だと思ってもらっては困る。まったく別ものだ。
原作の第1巻「影との戦い」だけでもぜひ読んでいただきたい。多くの人は周囲の人たちの関わりのなかで自然な形によって影を取り込むものなのだと思うが、人によっては本当に急激に影と戦う日がくる。それは生易しいものではない。
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